視能訓練士が国家資格として認定されてはや50年が経ちましたが、その業務内容は未だ世間に広く知られてはいません。視力を測っている人、コンタクトレンズを選んでくれる人、というイメージを強く持たれている方も大勢います。視能訓練士は元々は斜視や弱視の回復訓練を専門とした職業でしたが、時代の流れとともにその業務内容も変化を遂げてきました。日本は超高齢化社会を迎え、白内障をはじめ緑内障、加齢黄斑変性症など高齢者特有の眼疾病への予防や治療が求められており、また科学技術の進歩もめざましく、皆さんが普段お使いのスマートフォンなどにも利用されているタッチパネルや顔認識機能などは多くの眼科機器にも利用されています。現代の視能訓練士はそうした幅広い疾患への知識を持ち、ペンライト1本を使ったシンプルな検査からハイテク機器までを自在に扱う眼科検査の技術職となっています。

検影法

スキアスコープとも呼ばれ、ライトを用いて遠視や近視の程度(屈折値)を調べます。近年ではこれらは全て機械が全自動で行いますが(覗くと赤い家や気球が見える機器です)、機械に顎が乗らない乳幼児や、そもそも大きな機器を持ち込めない学校検診の場などで活躍しています。熟練者は全自動タイプよりも正確な値を測定できるとも言われています。

検影法
検影法

固視検査

網膜はカメラでいうフィルムに相当する部分で、およそ250μmの厚み(100μm=1万分の1メートル)があります。この薄い膜の中に数億個の細胞が集まっており、その中でも中心窩と呼ばれる1点のみが『見る』ことに関係しています。固視検査はビズスコープと呼ばれる機器を用いてこの中心窩の働きを検査します。

固視検査
固視検査

大型弱視鏡

1955年Anderson氏が来日した際、順天堂大学と京都府立医科大学に大型弱視鏡を寄贈したことから日本における斜視学がはじまったとされます。小児から大人まで、幅広い検査や訓練が可能な機器です。

大型弱視鏡
大型弱視鏡

超音波検査

妊婦のお腹の胎児を調べるのと同じ原理で、超音波を使って眼球内部を調べます。また、白内障の手術で重要になる目の長さ(眼軸)を測定する時にも使用されます。

超音波検査
超音波検査

電気生理検査

眼球は電気を帯びています。角膜(くろ目)の部分がプラス、後ろ(視神経)がマイナスです。乾電池を想像してみてください。眼球の電位はわずかなもので、とても乾電池の代わりにはなりませんが、そのわずかな電位を調べ、診断に役立てるのが電気生理検査です。角膜の上に電極を乗せるため、視能訓練士でも検査は緊張します。(実際は真っ暗な部屋で検査します)

電気生理検査
電気生理検査

ゴールドマン視野計

緑内障(りょくないしょう)は視野が徐々に欠けていく病気で、そのままにしておくと失明してしまいます。Goldmann視野計は緑内障を含めた視野の障害の早期発見・予防に役立っています。

ゴールドマン視野計
ゴールドマン視野計

HESS赤緑検査

眼球は6つの筋肉で動いています。交通事故や血管の詰まりなどで脳に障害を受けると目を自由に動かせなくなることがあります。HESS(ヘス)赤緑検査は動きの弱っている筋肉を見つけ出す検査です。壁に投影した光の格子が印象的な検査です。

HESS赤緑検査
HESS赤緑検査

斜視検査

両目で何かを見ている時に片方の目がまっすぐ向いていない状態を斜視と呼んでいます。斜視検査はプリズムを使って斜視の大きさやその種類などを調べます。視能訓練士が最も得意とする検査です。

斜視検査
斜視検査

色覚検査

数種類の検査を行うことで色覚異常の程度や型を診断します。

色覚検査
色覚検査
視能訓練士

科長よりメッセージ:ここで紹介した検査は視能訓練士の業務のうち、ほんの一部にすぎません。興味を持たれた方は是非一緒に学んでいきましょう!! セミナーや学校見学なども行なっていますのでご都合に合わせてご参加ください。 大原